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艦これ小説『鎮守府室長執務記録』 [序 着任]

※この話はフィクションです。登場する人物・団体・組織名等は架空のものです。
また、この話は公式設定ではありません。あくまで著者である私・マロンが考えた設定です。




「昨日未明、太平洋沖において漁船が沈没しました。原因は分かっておりません」

ある日、テレビでそんなニュースが流れた。
普段ならば専門家がテレビに出演し、なぜ事故が起こったかを事細かに説明するといったことをするが、ただアナウンサーが見出しを読むだけでやけにあっさりとした感じだったのを覚えている。新聞でもそのニュースは社会面に小さく出ているだけだった。

それからしばらくして船舶の沈没事故が相次ぐようになった。共通するのは「原因は不明」ということであった。フェリーは運休、漁船も最小限に留めるといったことが行われるようになった。
また、それは日本近海にとどまらず海外でも同じような現象が多発していた。

この現象は収まる気配がなく、ついに国連が相次ぐ船舶事故のための調査団を派遣することになった。
結論としては「謎の生命体による襲撃によるもの。殺害しようと試みたが現状の道具で殺害することは不可能である。今まで見たこともない未来の兵器か過去に使用していた兵器による殺害のみが効果的である」ということであった。
そして、「未来の兵器を開発するには莫大な時間を必要とするが、過去に使用していた兵器ならば十分対処することが可能である」ということであった。
そこで過去の兵器、つまり第二次世界大戦時の兵器を使用することが決定し、どこの国のものを使用するかを検討することになった。また、通常は深海に棲み、まるで軍艦のように攻撃することから「深海棲艦」と命名されるに至った。

ちょうどその頃、謎の生命体は空を飛行し航空機を撃破したというニュースが流れてきたのだ。
航空機と船舶が使用不可能になる、これは世界中に衝撃を与えることとなった。つまり外国からの輸入に頼っている国は滅ぶということである。特に日本のような四方を海に囲まれている国にとっては死活問題である。そこで日本に白羽の矢が立った。つまり、第二次世界大戦当時の帝国海軍の兵器を用いて謎の敵・深海棲艦に立ち向かうということである。

ただし、乗り越えなければいけない難関があった。それが憲法9条である。
当然兵器を使用するということは憲法違反になることは明白である。しかし、ここで反対してしまえば日本は資源や食糧を輸入することができず滅亡してしまうのだ。
そこで「深海棲艦に対する場合のみ兵器の使用を許可する」という法律を通すことによって回避することになった。

深海棲艦に対処するため、日本に研究所が設置された。そこでは帝国海軍の兵器を使用するためにどうすればよいかが激しく議論された。
ある日、ある研究者から「女性ホルモンを利用した艦艇、通称『艦娘』というシステムを使用するのはどうだろう」と提案がなされた。

「それはどういうことかね」
そう尋ねるのは無理もないことであろう。
「私の研究の結果、特に女性ホルモンがよく分泌されるのは10歳から25歳くらいまでというデータを得ることができました。そこで、女性に帝国海軍の艦艇の記憶を植え付けることにより女性自身が艦艇の化身になり深海棲艦と戦うことが可能となるのです」
科学者はそう答えた。まるで解決法を知っているかのようだ。
「それは女性をいわば奴隷のように扱うことになるのではないかね? これでは使い捨て、女性差別と言われても仕方ないのではないかね。人類の命がかかっているとはいえ、昔ならともかく今は世間が許してくれるとは思えない」
「いえ、そういうことなら問題ありません」
「どういうことかね」
「このシステムは人体にほぼ影響がありません。艦娘になると特殊なシールドが発動し、敵から攻撃されても少々怪我するのみにとどめることができます。当然ながら服が破れるという危険性はありますが、服ならば新しいものを使用すればよいため問題ないと考えます」
「しかし、激しい戦闘が見込まれる場合もあり死亡することだってあるのではないかね?」
「通常の戦闘で死亡する場合はほぼありません。しかしながら激しい戦闘後深い傷を負った場合に、即次の戦闘を行えば、当然ながら死亡することもあり得ます。幸い、深海棲艦側はこちらが攻撃するまでは襲ってこないため撤退することによって死亡を避けることができます」
「なるほど。私にはさっぱり理解できないが、つまり死亡条件が整っているシステムということか」
「そういうことです。了解が整い次第すぐにシステムの構築を行います。判断を仰ぎます」
「わかった。そのシステムを採用する。我々も日本の10歳から25歳くらいまでの女性がいる家庭に手紙を送り艤装に合う子を選抜するシステムを整えることとする」

そのような経緯で完成したのが「艦娘」というシステムである。
手紙が届いた場合、横須賀・呉・舞鶴・佐世保に設置された「艦娘対応室」に赴くことになる。ここで合致すると「艦娘の素質があり」と判断される。
艦娘の素質ありと判断された場合、1週間以内に荷物をまとめて横須賀に設置された合宿所・通称「鎮守府」に行くことになる。鎮守府に到着すると、隣にある建物で艦娘となるための教育が行われる。卒業すると辞令が交付され晴れて「艦娘」となるのだ。まだ未成年で学校に通っている子の場合は、速やかに転校措置を取り養成所で教育を行うこととなった。
また、艦娘は養成所を出ると大尉の階級が与えられ相応の給料が支払われることになる。衣食住完備のため殆ど給料を使用することはなく、親に仕送りを行う場合が殆どである。

「辞令。鎮守府勤務を命ず。階級は少佐となる」
そう言われたのは社会人1年目の男性である。この男性たちは4月から座学により深海棲艦対策を学んでおり、6月後半からの勤務地が上司より言い渡されることとなっていた。
「艦娘」システムの構築と同時にタンカーなどで資材を運搬するのも多くの男性が担うこととなった。また、優秀な場合は中央勤務となり、現場に指示を送ることとなっていた。

彼は鎮守府勤務と言われ内心複雑であった。というのも、前線に出ることもなければ幹部候補生として中央勤務でもない、いわば中間管理職の立場である。

上司はこう彼に伝えた。
「さて、君は6月18日から鎮守府で勤務してもらうことになる。君の仕事は敵の深海棲艦を撃破するのが目標だ」
「知っての通り、深海棲艦がいることで海上輸送もままならない。そこで、敵を撃破し戦意を喪失させることで、タンカー等の輸送船を無暗に襲わせないことが非常に重要である」
「現状では海上はジャミングされており指示が届かない。つまり、戦闘に送り出す前に鎮守府において装備を整え、休息を与え、交戦陣形を指示するというのが君の役割だ。前線に出ることはないが非常に重要な役割と心得てほしい」

「そこでだな、君一人では心細いであろうから、秘書を付けることとする。秘書も勿論艦娘なので戦闘に出ることもあるが、いい仕事をしてくれると思う。この5人の中から選んでほしい」
そう言われて渡された冊子には顔写真と帝国海軍時代の艦船の名前、性格が記されていた。パラパラとめくってみるが、誰でもいいような気もした。どうせ仕事上での付き合いだ、情が移ってしまういうのもあまりよくない気もする。
「この吹雪って子でいいです」
「『でいいです』か。好みの子がいなかったのかね?」
「決してそういうことじゃないです」と否定するしかなった。

「ところで一つ質問があるのですが」
「何かね?」
「私が鎮守府で執務をするにあたり制服を着用しなければならないのでしょうか」
「そうだな、基本的に内勤が主となるし、指示は基本的に提督室のパソコンを介して行うから君一人だ。よって君の好きな格好で執務して構わない。ただ、ジャージや普段着では艦娘に対して格好がつかないと思うからよした方が良い」
「了解しました。打倒深海棲艦に向けて精いっぱい頑張ります」
そう言うと上司に向かい敬礼した。

梅雨に入り蒸し暑くなった6月も半ば、提督が鎮守府に着任した。
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プロフィール

マロン

Author:マロン
鉄道マニアで主に乗り鉄。
また、艦これやガルパンが好きです。

「マロンブックス」というサークル名でたまにイベントに参加しています。

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