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艦これ小説『鎮守府室長執務記録』 [3 着任]

前回のあらすじ
吹雪が着任した翌日、任務をこなそうとする提督。まずは「はじめての建造」と「はじめての開発」を行うことに。
7.7mm機銃の開発に成功。艦娘は1時間後にできるのだという。1時間後、提督と吹雪が工廠室完成した艦娘と対面することに…
「五十鈴です、水雷戦隊の指揮ならお任せ。全力で提督を勝利に導くわ。よろしくね」
「ああ、こちらこそよろしく」
――軽巡洋艦五十鈴。5500トン級の長良型軽巡洋艦である。歴代艦長に山本五十六や山口多聞などといった有名な指揮官を輩出した艦艇である。
「我が艦隊の戦力となってくれることを期待する」
そう五十鈴に言い握手を交わした。とにもかくにも、これで艦隊が組めることとなった。…とは言ってもまだ五十鈴と吹雪だけではあるのだが。とりあえず一旦執務室に戻ることにした。吹雪に五十鈴を部屋に案内するよう伝え、私一人が執務室に入った。

ネットワークを見ると、「艦娘」というアイコンがあったのに気づいた。クリックするとナンバリングがされており、11番の吹雪と43番の五十鈴の箇所が点灯していることに気付いた。艦娘となると自動的に認識されるのだろう。
次に「艦娘」のページをクリックし「任務」のアイコンをクリックした。先ほどの「はじめての建造」と「はじめての開発」の2つに任務成功を知らせるマークが表示されていた。マークの箇所にマウスを近付けると「報酬を受け取る」とポップアップされ、クリックした。これで報酬の資材を受け取ったということだろう。そうこうしていると吹雪が戻ってきた。

「案内ありがとう。本来ならば自分が案内してもいいとは思ったのだが、やはり男が女の子の部屋に入るというのはどうかと思ったのでな」
「五十鈴さんは長良さんと同室のようです。でもまだ長良さんが来てませんね」
「まぁしばらくすれば来るとは思うからそんなに心配しなくてもいいだろう。さて、次の任務に取り掛かるか」
任務アイコンをクリックすると、「はじめての編成」というのが目に止まった。どうやら2隻以上で艦隊を編成せよということらしい。こちらをオンにし一旦閉じ、編成アイコンをクリックする。すると、6艦から構成される艦隊表が表示された。どうやら艦娘一覧とリンクされているようで、各箇所に選択し表示できるシステムのようだ。そういえば秘書艦も出撃することがあると言っていた。つまり、旗艦は秘書艦ということなのだろう。とりあえず旗艦吹雪、次を五十鈴に決定し任務コマンドに戻る。案の定「はじめての編成」で「任務成功」マークが表示されている。迷わずクリックし報酬を受け取った。すると、メールが届いていると表示された。クリックしてメールを読む。メールには「はじめての編成を成功したため、お祝いとして新艦娘を与えることとする」と書いてあった。
「新艦娘が来るらしい」
「そのようですね」
しばらくすると執務室のドアをノックする音がした。
「誰だろう。新艦娘かな」
「私開けますね」
そういうと吹雪がドアを開ける。そこには吹雪と同じ型の制服を着た、おさげ髪の少女が立っていた。

「白雪です。よろしくおねがいします」
「ええっ、白雪ちゃんが新艦娘なんだ! 私嬉しい!」
――白雪。特型駆逐艦の2番艦で吹雪の次の艦娘だ。心なしか吹雪が喜んでいるようだ。
「白雪のことを知ってるのかね」
吹雪に聞いてみる。
「そりゃもう。養成所時代一番仲良かったのが白雪ちゃんなんです!」
「そうそう提督、聞いてください。吹雪ちゃんったら養成所時代にお化け屋敷大会があったんですけど、そこで」
「それは言わないでよー」
何が起こったのか気になったが、吹雪の顔が真っ赤になったのでこれ以上聞くのはやめることにした。
「とりあえずこれからよろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
そう言うと白雪は頭を下げた、随分礼儀正しい子のようだ。

さて、次に消化できそうな任務はないかと任務一覧を見ていると、「はじめての演習」が目にとまった。よし、これをやってみるか、そう思い「はじめての演習」にチェックを入れる。
「演習とはどういうシステムなのか知ってるか?」
吹雪に聞いてみた。
「それはですね、模擬戦みたいなものだと思います。敵と戦わないので怪我をすることはありませんが、実際の戦闘と同様に資材は消費します。また、戦闘同様に練度も上げることができるようです」

モニターに表示されている鎮守府のマップを見ると、右上の方に演習場があることに気付いた。どうやらここで演習を行うようだ。そういえばまだ工廠以外を見ていなかったことに気づいた。ちょうどいいタイミングなので、演習場に行く前に他の施設も見て回ることにする。
「ということで吹雪、10分後に玄関前に集合して演習に行くことにする。なので五十鈴を呼んできてくれ。あと、白雪に部屋に案内してやってくれ。今のところは秘書艦だから白雪とは一緒の部屋で寝ることはできないが、もし一緒の部屋で寝たいということであれば秘書艦の部屋を使わなくても大丈夫だ。どうする?」
「私は一人で寝ることができるので大丈夫です。戦闘に比べたら一人で寝ることくらいへっちゃらです」
と白雪。実に頼もしい子だ。
「私も大丈夫です。お気遣い感謝です」
吹雪も答えてくれた。本来ならば年頃で思春期の子だから寂しいというのは自然の気持ちであろう。しかし彼女たちは艦娘という役割を精いっぱい果たそうとしている。そう思うと、戦闘に出しても彼女たちを必ず生きて帰らせないといけない、そう強く思った。
「ありがとう。君たちの気持ちは伝わった。白雪は着任してすぐ演習ということになって申し訳ない。夜は間宮に白雪と五十鈴の着任祝いをしてもらうよう伝えておく。
「私のためにそんな、でもありがとうございます」
「ありがとうございます。デザートもお願いしますね」
「こらっ、調子に乗るんじゃない」
10分後、吹雪たち3人が玄関の前に集まっていた。
「それじゃあ、出発するか」

工廠の隣の塀越しに大きな建物が見えた。
「あれが養成所なのかね」
「そうです。艦娘になるための学校みたいなものです」
と吹雪が答えてくれる。残念ながら塀が高く何をやっているのか見ることはできないようだ。
「ちょっと中を覗いてもいいのかな?」
「司令官ダメですよ」
「司令官も知ってるでしょ、私たちは原則的に一般人との接触は禁止されてるんです。
艦娘になるために勉強しているとはいっても、勉強を終えるまでは一般人なんですよ」
吹雪と白雪が答える。
「ということは、鎮守府にある施設で働いている人も一応一般人じゃないということなのか」
「そういうことです。司令官みたいに階級は高くないですけど、一応ここで働いている人たちは全員何かしらの階級はあるはずです」
「艦娘になるための訓練以外にも国語とか数学みたいな勉強ももちろんやってました。私たちは艦娘になるんだからいらないとは思ったんですけど、基本的な勉強も必要なんだそうです」
五十鈴が話してくれた。恐らく、まだ義務教育すら終えていない子のための配慮なのだろう。

「元気にしてるかな、三笠先生」
「三笠ってあの戦艦三笠のことなのか」
吹雪たちに聞いてみる。吹雪は頷いた。戦艦「三笠」は1900年に進水、1903年に連合艦隊旗艦となったのち、日露戦争に参加。その後、ワシントン海軍軍縮条約により廃艦が決定した。つまり太平洋戦争には参加していない。そういう艦の艦娘が先生役として指導しているのだろう。

そんなことを話しながら工廠裏にある整備保管庫の脇を抜けると、敷地の隅に「酒保」と書かれた建物があった。「酒保」とは書いてあるが、どう見てもコンビニであろう。青と緑のネオンが光っているし。
「ちょっと入ってみるか」
「ダメですよ、司令官。演習中前ですよ、そんな呑気でいいんですか」
と五十鈴。
「プリンでも買ってあげようと思ったんだがな。それとも五十鈴はプリン嫌いなのかね」
「そういうわけじゃないですけど…」
「反応が分かりやすいな五十鈴は。じゃあ入るか」
普通のコンビニは自動ドアだが、ここは手動らしい。
「いらっしゃいませ」
ピンクの髪をした店員が挨拶をしてくれる。中を見渡すが普通のコンビニとあまり変わらないラインナップのようにも見える。ただ、女の子が多いからか化粧品やデザートの品ぞろえが若干多いようにも見える。デザートコーナーを見ると牛乳プリンがあった。
「これこれ、これが好きなんだよ。まさか売ってるとはね」
「司令官はこれが好きなんですか?」
「シンプルなんだが飽きのこない甘さでな。あっ、何でも買っていいぞ」

3人がデザートを選ぶとレジに持っていく。と、ここでお金を持っていないことに気がついた。しまったな、そういえば金を持ってきてなかったな。だが、何でもおごると言ってしまった手前、断るというのもな。そう思いレジを打っていた先ほど挨拶をしてくれたピンクの髪の店員に聞いてみた。
「すまんが、これツケるということはできないかな。実は金を持ってくるのを忘れてしまってな。あとできちんと払う」
そう言うと店員はこう答えてくれた。
「当酒保では、普通のコンビニとは違い現金の受け渡しは行わないことになっております。身分証明書はお持ちでしょうか」
「これかね」
そう言って身分証明書を渡す。そう言えばここに着任する前に身分証明書が送られてきたのだった。店員は書かれている事項を見ているようだ。
「提督さんでしたか。それではこちらの4点をお買い上げということでよろしいでしょうか」
私が頷くと店員はカードをスキャンした。
「これで買い物完了となります。提督さんの給料から引き落とされることになります。またのご利用をお待ちしています」
出てきたレシートを見ると「明石」と書いてあった。そういえば工作艦でそんな名前の艦があった気がする。彼女も艦娘なのか。

外で待っていた3人に待たせてすまなかったと声をかける。3人は大丈夫だと声をかけてくれた。
入渠室の前を通り、「演習室」と書かれた建物の前に到着した。
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プロフィール

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Author:マロン
鉄道マニアで主に乗り鉄。
また、艦これやガルパンが好きです。

「マロンブックス」というサークル名でたまにイベントに参加しています。

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