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艦これ小説『鎮守府室長執務記録』[4 はじめての演習]

前回のあらすじ
工廠でできた艦は五十鈴であった。その後白雪も加わり3人で演習を行うことにする。
演習前に立ち寄った酒保でお菓子を買い込み演習室に行くことになったのだ。
演習室のドアは鍵がかかっていなかった。中に入るとパソコンが1台とスポーツドリンクが入った冷蔵庫が置かれていて、その奥にスチール製の扉があった。ちょうど見える位置はガラス張りになっていて演習の様子が見える。演習はこの奥でやるようだ。試しにドアを開けて中をのぞいてみると、海をイメージしたような水色の部屋になっている。水色の壁には音楽室のような穴が開いている。

パソコンを起動すると、5組の対戦相手が表示された。恐らく旗艦になっている艦娘が表示されているのだろう。
「あれ、深海棲艦じゃないんだ」
五十鈴は不思議そうに尋ねてきた。確かに敵艦を表示すべきだろうとは思う。一瞬考える。
「おそらく、敵を艦娘に置き換えているんだと思う。正直、深海棲艦についてはまだどういう生物なのかも分かっていないところが多いから、艦娘に置き換えることによって分かりやすくしてるんだと思う」
そういうと五十鈴は納得したようだ。

「分かったようなので試合の流れを確認しておく。まずは航空戦で開幕爆撃を行う。まぁこれは空母がいる場合の話だからこれは関係ないか。次に雷撃戦を行う。これも重雷装巡洋艦がいればの話だな。次に砲撃戦に移る。これは射程距離が長い方から順に砲撃する。今回の編成の場合は中距離の五十鈴から始まる。ここまではいいかな」
3人はうなづく。
「その後雷撃戦に移るわけだが、その前にこちら側か相手側のどちらか一方に戦艦がいると砲撃戦が2回できる。この場合は旗艦から順に攻撃することになる。雷撃戦まで終わったところで敵艦がまだ動ける場合には夜戦を行うこともある」
「砲撃戦を2回できるというのは敵を攻撃できる回数が増えるのでいいですね!」
白雪はうれしそうに話す。
「2回砲撃というのはメリットもあって、敵も2回攻撃できるんだ」
「つまり……」
「つまり、こっちの艦隊が戦闘不能になるということも大いにあるということだ。さてここまでの説明で分からないことはあるかな」
そういうと吹雪が手を上げる。
「例えば駆逐艦が攻撃している間に戦艦とかが攻撃を続けるというのもできそうな気もするんですけど、やっぱり今の手順通りにしなければならないんですか?」
確かにその方が手っ取り早い気もする。しかし少し考えてこう言った。
「そうだな、確かにその方が戦意喪失もできないこともない。ただ、1戦ならともかく3戦・4戦と続く戦闘において、むやみに不必要な資材を失うというのは賛成できない。よって、攻撃を最小限に留めて連戦に備えるべきだと思う」
「なるほどです」

「攻撃の仕組みを知ったところで、早速やってみようか。どの艦隊がいいかね? とりあえず最初だし3人しかいないからあまり強すぎるのは良くないとは思う」
マウスでカチカチやっていると、金剛Lv41の単艦編成があった。戦艦だが単艦編成なら夜戦に持ち込めば勝てそうな気もする。
「決めた。対戦相手は金剛単艦。単縦陣で勝負することにした。旗艦は五十鈴、そのあとに吹雪と白雪が続く。こちらの艦隊編成を登録するから身分証明書を貸してほしい」
そういうと3人から身分証明書を借り、リーダにかざす。パソコンには3人の名前と顔が表示された。決定ボタンを押すと、5分後に演習を開始するというアナウンスが流れた。3人は演習室に入る。

「五十鈴、出撃します!続いて!」
3人がポケットから「何か」を取り出した。その取り出した「何か」を頭上に掲げると彼女たちの3倍はあろうかという人形のようなものが現れた。どうやらこの「人形のようなもの」は彼女たちと同じ動きをするようだ。
直後、音が鳴り演習が開始した。先ほどまで青い壁だった場所に金剛が表れる。恐らく映写機のようなもので金剛を映しているのだろう。
「水雷戦隊、突撃!」
そういうと大きい五十鈴は14センチ単装砲でバーチャル金剛に砲撃する。しかしカスダメのようで、効果があまり見えない。
バーチャル金剛は41センチ連装砲で砲撃してくる。砲撃が大きい白雪に命中し、大きい白雪はかなりのダメージを食らった。と、同時に後ろにいる白雪もダメージを食らう。どうやらただの人形ではないようだ。
次の大きい吹雪が放った12.7センチ連装砲がバーチャル金剛に当たる。やはりバーチャル金剛にはあまりダメージを与えられないようだ。結局雷撃戦を行ったところで中破にするのがやっとという状況である。現在旗艦の五十鈴中破、白雪大破という現状である。夜戦に突入すると白雪は攻撃を行うことはできない。が、夜戦を選択した。すると演習室の電気が消える。雰囲気が出てとてもよろしい。
「追撃戦は私の十八番よ!」
大きい五十鈴の放った魚雷がバーチャル金剛に命中、大破まで持ち込む。これで金剛は攻撃ができなくなった。恐らく次の攻撃で吹雪の攻撃が命中すれば勝利だろう。
「お願い!当たってください!」
大きい吹雪が放った61センチ三連装魚雷がバーチャル金剛に当たる。バーチャル金剛がいた場所に「戦闘不能」の文字が表れた。何とか勝利することができた。演習終了を告げる音楽が流れ、3人が出てきた。いつの間にか大きい人形のようなものは消えていた。

「お疲れ様」
そう言うと3人に冷蔵庫に入っていたスポーツドリンクを渡す。
「私は何もできませんでした……」
白雪が申し訳ない感じで頭を下げる。
「戦艦の攻撃が当たればそうなるさ。実戦経験を積んでいけばきっと何とかなると思うぞ」
「ありがとうございます、そういってくれるだけでも嬉しいです」
「ところでだ、あの大きな人形みたいなのは何だったんだ?」
「あれは、私たち艦娘の分身みたいなものです。これを押すことで分身が現れるんです」
そういって吹雪が見せてくれたのは出撃時に3人が掲げていたものだった。銀色をした丸いもので、艦船のイラストが刻印されている。どうやら3人とも同じようだ。
「何の船か分からないからみんな『ぷかぷか丸』って呼んでるのよ」
そういうのは五十鈴だ。ただ、どうやらこれは蓋のようで、突起を押すと開けることができた。中にも艦船の絵が描かれている。ただ、吹雪が見せてくれたものには上に恐らく吹雪の艦船と思われる絵が描かれており、その下に『吹雪型一番艦 吹雪』と毛筆書体で描かれている。
絵の中心部にも突起があった。試しに押してみようとすると3人に「押してはだめだ」と念を押された。
「これを押すとさっきのように大きい私たちが現れるんです」
どうやら演習ではない場合には先ほどよりも分身は数倍大きくなり、分身が深海棲艦と対戦するらしい。分身に当たった攻撃は本体である彼女たちに伝わる、というのが真相のようだ。

私自身、提督となる勉強はしてきたつもりではあった。しかし、演習であるが実際の戦闘を目の当たりにすることで徐々にではあるが提督としての自覚が生まれてきていると感じた。より一層気合を入れていかなければならないだろう。

「さて、明日から君たちには戦闘に出てもらうことになる。これから君たちは辛い思いをするかもしれない。しかし、私は君たちを決して沈ませることはないと誓う。皆で全力で戦い抜こうではないか」
「はいっ、頑張ります!」
「よし、その意気だ。とりあえず部屋に帰って甘いものでも食べるか。作戦会議は今日のフタマルマルマル、場所は1階会議室。それまで解散」
そういうと私は冷蔵庫に保存しておいたお菓子を3人に渡した。
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Author:マロン
鉄道マニアで主に乗り鉄。
また、艦これやガルパンが好きです。

「マロンブックス」というサークル名でたまにイベントに参加しています。

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