スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

艦これ小説『鎮守府室長執務記録』[番外編3 提督が叛乱鎮守府の指揮を執ります(2)]

番外編の続きです


執務室に戻り、備え付けのコーヒーサーバーからカップにコーヒーを注ぎ、ミルクと砂糖を入れる。昼食後のお決まりのルーティーンだ。
執務机でコーヒーを飲んでいると、コンコンとドアを叩く音がした。入るよう促す。

「おお、飛龍か。来てくれたんだな」
「あ、はい……」
もじもじとした感じがまたかわいい。予備の椅子を持ってきて自分が座っている席の隣に置き、それに座るよう指示をする。飛龍は頷くとちょこんと腰かけた。机の上に置いてある封筒の中に入っている書類を取り出し、改めて注意事項を読み上げる。

「えぇー、昼間に言ったとおりケッコンカッコカリを行おうと思う。これによると運や回避力の上昇、消費資材の減少などの効果があるようだ」

「提督、一つ質問していいですか?」
突然飛龍が口を開いた。
「ん、何だ?」
「昼間に言ってたことは本当なんですか?」
「昼間と言うと?」
「その、提督が私のことをす、好きというのは」
「ああ、本当だ」
そう言うと飛龍は顔を赤くして下を向いてしまった。何やらモゴモゴ言っているようだが小さい声なので聞こえない。そういう自分も、改めて告白するというのが非常に恥ずかしい。心臓がドキドキしているのが感じられる。机に置いてあった今は温くなっているコーヒーを飲んで心を落ち着かせる。ようやく飛龍が顔を上げた。
「あの…」
「ん、どうした?」
「じゃ、じゃあキスして」
「いやいやいや、どうしてそうなる」
「だって、私のこと好きなんでしょ? だったらキスくらいしてよ」
「いやしかしだな」
「いいじゃない、どうせこの部屋は二人っきりなんだし」
確かに、誰かに見られるわけでもない。ちょうど他の子たちは午後の訓練をしているため来ないだろう。
「じゃあ…」
そう言うと飛龍を抱き頬にキスをした。
「それだけ?」
「それだけというと」
「もぅ、分からないんですか?キスなら口にするもんでしょう」
「むぅ… 確かに」
しかし、飛龍のこの積極さは一体どこから出てきてるのだろうか。それとも女の子と言うのは全員こういうものなのだろうか。
「じゃあ行くぞ」
再び飛龍を抱くと今度は飛龍と唇を重ねる。
「あっ、あっ……」
飛龍の色っぽい息遣いが耳元に伝わってくる。と、その時後ろでドアが開く音が聞こえた。

「提督。少し聞きたいことがあるのですが」
後ろを振り向くと、加賀が執務室のドアを開けて立っているところだった。これはいくらなんでも拙い。
「今日の夜に鳳翔さんの店で食事会をしようと赤城さんが提案してきたので伝えに来たのですが、お取込み中のようなので失礼します」
そう言うと加賀はドアも閉めずに出て行った。

「加賀さん、表情変わってないですけどあれ絶対心の中で私たちのことよく思ってない感じですよ」
「だよなぁ……。この戦況を乗り切るためにも加賀さんには一層頑張ってもらわんといけないんだがなぁ……。 というかこんな状況にした原因は飛龍、お前だろうに」
「だってぇ、皆出払ってるから誰も入ってこないと思ったんだもん……」
飛龍は「てへっ」とした顔をする。この顔をされるとどうも怒る気にならないのだった。
「まぁそうだろうな。とりあえず加賀さんについてはどうするか考えておくとして、明日上に提出するケッコンカッコカリの書類にサインして欲しい」
そう言って自分のサインが入った書類を飛龍の前に置く。既に自分のサインはしてあるので飛龍のサインを入れ、上に提出すれば契約は成立だ。飛龍は執務机の上に置いてあるペンを取りサラサラっとサインをし渡してきた。それを一瞥し封筒に戻す。
「サインありがとな。じゃあ訓練に行っていいぞ。」
私の言葉を聞くと飛龍は訓練に行くために執務室から出て行こうとした。そこで私はあることを思いつき呼び止めた。
「そういやさ、赤城に食事会は秋雲も呼びたいけどいいか聞いてみてくれ。昼間にあの場を収めてくれたってのがあるからさ」
「分かりました。それでは」
そう言うと飛龍は執務室を後にした。

弓道場では鳳翔の元正規空母たちが練度を上げていた。加賀は執務室から戻ってきてから弓の精度が目に見えて落ちていた。
「あら加賀にしては珍しいわね。いつもなら9割は真ん中を射るのに」
加賀は無言のまま続ける。
「先輩、少し休んだらどうです?」
少し離れたところから瑞鶴が提案する。
「これでも五航戦よりはマシだと思ってるわ」
「確かに先輩よりは精度は劣るかもしれないですけど、でも今の先輩よりは上の自信があります」
すると加賀の隣にいる赤城が口を開いた。
「私も瑞鶴の意見に賛成よ。いつものあなたならもっと上手いはず。それなのに今のあなたは全然ダメね」
赤城に反対されたからか射るのをやめた。そんな時飛龍が入ってきた。
「先生、遅くなりました。これから始めます」
加賀の隣で弓を射る。加賀とは違い精度が上がっているのが分かる。
「飛龍、あなた上手くなったわね」
「どーよ!」
飛龍の隣で練習をしている蒼龍が飛龍に話しかける。
「まさかケッコンの力ってやつ? よくプロ野球選手が結婚したら今までよりも力が出るようになるって言うし」
「もう、蒼龍ったら冷やかさないでよ恥ずかしいな」
そんな会話をしていると加賀は片づけを始めた。
「上がらせていただきます」
「加賀先輩が先に上がるとは珍しいわね。さっきまではあんなに練習してたのに。やっぱり精度が落ちたのって体調悪いからだったりします?」
「まぁそんなことよ。」
そう翔鶴に言い残すと加賀は道場から出て行った。
スポンサーサイト
プロフィール

マロン

Author:マロン
鉄道マニアで主に乗り鉄。
また、艦これやガルパンが好きです。

「マロンブックス」というサークル名でたまにイベントに参加しています。

最新記事
同人誌通信販売
こちらから(新しいウィンドウで開きます)
カレンダー
03 | 2018/04 | 05
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
アクセス
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。