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艦これ小説『鎮守府室長執務記録』[番外編3 提督が叛乱鎮守府の指揮を執ります(3)]

前回の続きです

「そういや加賀さん、食事会について執務室に行って戻ってきてからあんな調子なんだけど、飛龍何かあったか知ってる?」
と蒼龍が聞く。
「うん、来てたよ」
そう答えると先ほど執務室でのことが飛龍の頭の中でフラッシュバックした。ケッコンカッコカリの書類を書く前に提督とキスをしたこと、しかもそれは自分の提案でわざわざ口と口であったこと、そしてそれを加賀に見られたこと……
(言えない…… いくらなんでも……)
頬を紅潮させ耳のところまで真っ赤にする。顔を隠しても分かるくらいだった。
「もしかして加賀さんに何か見られたくないことをしてたってこと?」
「うん……」
「セッ●ス?」
「そこまでは行ってない……」

すると赤城はこう切り出した。
「飛龍、あなたは私たちにあなたが執務室で何をしていたかを話す義務があると判断します。話してちょうだい」
赤城は真剣な表情をして飛龍に語った。いつもの笑顔ではなく、戦闘中に見せる顔のそれである。
「実は……。」
そう言って飛龍は事の顛末を話した。
「なんだ、先輩そんなことで悩んでたんだ」
「こら瑞鶴、あまり先輩について馬鹿にしちゃいけないわよ」
翔鶴が瑞鶴をたしなめる。
「翔鶴姉ぇは優しすぎるのよ。まぁでも先輩があんな調子だと張り合いがないから元気になってもらわないとね」
「あなた本当は加賀と仲がいいんじゃないの」
そう赤城がおちょくる。
「べ、別に私はそんなわけじゃ」
「何にしても加賀には元気になってもらわきゃね」
そんな話を聞いていると、飛龍は加賀に対して申し訳ない気持ちになった。
「うー、なんかすいません……
「別に飛龍が謝ることじゃないと思うよ。好きな人相手ならみんなあんな感じになると思うし、それに今回は先輩が勝手に滅入ってるだけじゃん」
「ありがと、瑞鶴」
「というわけでまず今日の食事会に加賀を呼びましょう」
「私がいる席ですけど大丈夫なんですか」
「腹が減っては戦はできぬ、って言うじゃない。とりあえずおいしいごはんを食べれば少しは元気が出るわよ」
「赤城さんらしいですね。あ、提督が秋雲もどうかと言ってるんですが大丈夫ですか?」
「一人くらいなら増えても大丈夫だと思うんだけど、どうですか鳳翔先生」
「問題ないわ」
そう鳳翔が言うと、パンパンと手を叩いた。
「話はそれくらいにして練習再開しますよ」
鳳翔の声の後は道場内に弓の射る音がするのみであった。

午後6時。飛龍と秋雲とで鳳翔の店に向かう。
「本当に私を連れて行っていいのぉ?」
「昼間にあの場を収めてくれたお礼だよ」
そんなことを話していると鳳翔の店に到着した。店の扉の脇には「貸切」と札が貼られている。

「いらっしゃい」
「おっ、今日の主役来たわね。来ないかと思って心配してたのよ」
「ありがとうな赤城」
カウンターの横にあるテーブルが2つつなげてあり、いわゆる「お誕生日席」に座るよう指示される。秋雲は飛龍の一番近くに座る。程なくして鳳翔が注文を取りに来た。
「提督はいつものでいいんですよね」
「うん」
「飛龍はビール大丈夫よね? 駆逐艦はお酒ダメだからソフトドリンクよ」
「大丈夫です。ありがとうございます」
鳳翔は厨房に戻ると手慣れた手つきで提督の分を作り出した。とは言っても樽からお酒を注ぎ氷を入れるだけなのだが。
「はい、いつもの梅酒ね。あとビールとコーラ」
赤城が全員に飲み物がいきわたっていることを確認して音頭を取る。
「それじゃあ提督と飛龍のケッコンカッコカリを祝って、カンパーイ」
「カンパーイ」
梅酒を半分まで飲む。他の娘たちも鳳翔が作ってくれた食事に舌鼓を打つ。
「赤城、今日はありがとうな」
「いえいえ。飛龍は私たちの仲間ですから。みんなでお祝いしたいじゃないから」

皆が楽しくしている頃、加賀だけは乾杯に参加せず一人で下を向いてビールを飲んでいた。ビールを飲み終えると立ち上がった。
「帰ります。赤城さんがからどうしても来てと頼まれたので来たのですが、やはり私は不快です」
隣にいた赤城が加賀の腕を掴む。
「ダメです。確かにあなたの気持ちはよく分かるわ。でも帰るのは許しません」
加賀はまだ納得できないといった表情ではあるが、渋々席に座る。
「先輩、元気出してくださいよぉ」
「五航戦の子には関係ないでしょう。これは私の問題なの」
「そんなことない! 私、本当は先輩のこと尊敬してる。でも、今の先輩は私が尊敬し、目標にしている先輩とは違う! MIの後一航戦の名を受け継いだ私たちにとって先輩たちは目標なの。だからいつでも私の憧れる先輩の姿を見せてほしい!」
「私も瑞鶴の言う通りよ。先輩は私達姉妹の目標でもあるの。それなのに、今の先輩は独り善がりで自分を見失っている気がするわ」
「私も同じ考えよ。先輩は先輩らしくあってほしいと思ってる」
「みんなそう言ってくれてるじゃないの。元気出しなさいよ」

そう言うと赤城は加賀の肩をポンポン叩く。顔を上げた加賀の顔にはうっすらと涙を流した跡が見える。すると、焼きそばを頬張っていた秋雲が口を開いた。
「そういえばさ、提督っていつから飛龍のこと好きだったの? ケッコンカッコカリするくらいなんだから相当だと思うんだよね」
「んー、かなり前からかな。なんか隠していたみたいになっててすまんな」
食事を作っていた鳳翔が料理をテーブルに運ぶと、カウンターの椅子に腰かけた。
「私は提督が飛龍のこと好きって言ってたの知ってましたよ。確か飛龍が着任して3日後くらいだったかしら、ふらっと提督が店に来て『鳳翔さん、俺好きになってしまった娘がいまして』みたいなことを話してくれたのを覚えてます」
「3日後ってどんだけなのよ…」
「蒼龍、ドン引きするのは分かってるが仕方なかったんだ。申し訳ないけれども他の子にはそんな感情はなかったんだがな。飛龍に対してはその、別だったんだ」
「加賀さぁ、そういうことだったなら仕方ないじゃない。逆に全員好きで結婚したいとか思ってる人の方が危険だと思うしさ。飛龍は私たちの仲間なんだから応援してあげましょうよ」
「まぁ、そういうことなら」
納得しかねるといった表情ではあったが、先程よりは以前の架がらしさが戻ったような気がした。その後、鎮守府の裏事情を秋雲が話すなどして食事会はつつがなく9時ごろに終了した。まだ飲むらしい赤城と加賀を残し店を出た。
鎮守府本館に戻り、飛龍に明日は9時ごろに出る旨を伝えた。
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Author:マロン
鉄道マニアで主に乗り鉄。
また、艦これやガルパンが好きです。

「マロンブックス」というサークル名でたまにイベントに参加しています。

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